LINE CRMとは?公式CRMオプションと外部ツールの選び方【2026年】
LINE CRMの意味と2026年の選び方を解説します。LINEヤフーのCRMオプション(月5,000円)、タイのMyCustomer | CRM、台湾のOA Plus、外部CRMツール、既存CRMとの連携、個人情報保護、LineBot.proの役割まで。

#LINE CRMとは?
LINE CRMとは、LINE公式アカウントを通じて顧客との関係を管理することです。友だちが誰で、何を買い、何を問い合わせたかを把握し、グループごとに合ったメッセージを送ります。実現方法は3つあります。LINE純正の機能(管理画面〈LINE Official Account Manager〉のチャットタグとノート、日本ではLINEヤフーの「CRMオプション」月5,000円〈税別〉)、LINE公式アカウントにつなぐ外部のCRMやチャットツール、そしてすでに使っているCRMとの個別連携です。LINE公式アカウント単体はメッセージのチャネルであり、本格的な顧客データベースではありません。
「LINE CRM」が指すものは国によっても違います。日本ではLINEヤフーがLINE公式アカウント向けにCRMオプションを提供し、タイではLINEタイの会員・ポイントシステムMyCustomer | CRM、台湾ではOA Plusの会員・予約ツールがこれにあたります。以下、2026年10月時点の料金とともに解説します。
機能するLINE CRMは3つの層でできています。
- アイデンティティ:友だちのLINEユーザーIDを、すでに把握している顧客(会員番号、電話番号、購入履歴)と結び付ける。
- プロファイル:その顧客のタグ、属性、購入履歴、ポイント。
- アクション:セグメント配信、会員特典、担当者が文脈を見ながら返信できる1:1トーク。
#LINEでCRMは必要か
友だちが数百人で、ご自身でチャットに返信しているなら、まだ不要なことが多いです。管理画面のチャットタグ、ノート、絞り込み配信で基本はまかなえます。CRMが役立ち始めるのは、次のような場合です。
- 紙のポイントカードやスタンプカードを、お客様のスマホに移したい。
- 全員に同じ販促を送っているが、会員・新しい友だち・しばらく来ていない顧客に別々のメッセージを送りたい。
- スタッフが、お客様の購入歴や過去の問い合わせを見ずに返信している。
- 営業チームがLINE経由のリードを追い切れていない。
- 顧客データがLINE、POS、スプレッドシートに分かれていて、つながっていない。
ツールを比べる前に、実際にどれに当てはまるかを書き出しましょう。ポイント・会員ランク、営業パイプライン、AIセグメントは別々の製品で、3つすべてを得意とするツールはわずかです。
#LINE純正のCRM機能(国別)
| 国 | LINE純正の選択肢 | できること | 料金(2026年10月時点) |
|---|---|---|---|
| 共通 | 管理画面のチャットタグとノート | チャットごとのラベルとメモ、絞り込み配信 | 標準搭載 |
| 日本 | CRMオプション | ユーザーリスト、タグ付けできるフォーム、セグメント配信と自動配信 | 月5,000円(税別)、チャットProオプション込み |
| タイ | MyCustomer | CRM | 会員、ポイント、ランク、購入額での分類、ギフトバウチャー | 月369バーツ+VAT、プロプランは込み |
| 台湾 | OA Plus 幫手市集 | LINEパートナーによる会員・予約・席予約システム | 中用量・高用量プランは基本版無料、有料版あり |
#日本:LINE公式アカウントのCRMオプション
LINEヤフーのCRMオプションでは、友だち追加やアンケートで得た情報をユーザーごとに一元管理するユーザーリスト、回答に応じてタグ付与や顧客情報の更新ができるフォーム、属性やタグによるセグメント配信、アンケート回答・誕生日・タグ付与などをきっかけにした自動配信が使えます。スタンダードプランは月5,000円(税別)で、履歴保存やタグ・ノートを拡張するチャットProオプション(単体では月3,000円)を含みます。任意の初期サポート(1回20,000円・税別)は同時購入のみです。申し込めるのは、認証済みのビジネスマネージャーと接続した認証済アカウントで、友だち数が10万人未満の場合に限られ、対象外の業種もあります。申し込みはWeb版の管理画面から行います(LINEヤフー for Business)。
#共通:チャットタグとノート
どのLINE公式アカウントでも、スタッフはチャットにタグを付け、ノートを残せます。管理画面からは選んだ友だちへの絞り込み配信も可能です。上限は国やプランで異なり、たとえばタイの無料版はチャットタグが合計5個(1チャット1個)、ノートは1チャット1件、履歴は6か月です。タイのOAチャットパッケージ(月555バーツ+VAT)では、タグ300個(1チャット30個)、1チャットにつきノート1,000件、ダウンロード可能な履歴5年に広がります(LINEタイ)。
#タイ:MyCustomer | CRM
LINEタイが提供する、LINE公式アカウント上の会員・ポイントシステムです。
- 会員登録と同時にLINE公式アカウントの友だちになります。
- 電話番号、QRコードの読み取り、オンライン・デリバリー注文用のQRコードステッカーでポイントを付与でき、LINE SHOPPINGでの購入には自動でポイントが付きます。
- 会員ランクは累計ポイントから計算されます。
- 購入額による顧客の分類、ギフトバウチャー、店頭・配送・割引コードでの特典交換に対応します。
- 顧客データのインポート・エクスポートが可能で、POSでのポイント付与にはLINE MINI Eatsが必要です。
料金は30日間の無料トライアル後、月369バーツ+VAT 7%で、プロプラン(月1,780バーツ)には追加費用なしで含まれます。一般アカウントまたは認証済アカウントの管理者がoaplus.line.bizから申し込みます。解約後のデータは90日間保持され、その後削除されます(MyCustomer | CRM)。
#台湾:OA Plus 幫手市集
LINE台湾が2026年8月に紹介したOA Plus 幫手市集では、LINE認定のテクノロジーパートナーと共同開発した会員・予約・席予約システムを使えます。中用量・高用量プランのアカウントは基本版を無料で使え、有料の上位版もあります。輕用量のアカウントもプランを変えずに有料版を申し込めます(LINE台湾)。さらにLINE台湾のプラグインマーケットには、オンライン注文、予約、会員管理、自動タグ付けなどのパートナー製モジュールがあり、1アカウントにつき同時に1つまで導入できます(プラグインマーケット)。
#外部のCRM・ツール
LINE純正の機能で足りない場合、LINE公式アカウントにつなぐ製品は大きく3種類あります。
| 種類 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| LINE向けマーケティング・CRMツール | セグメント、シナリオ配信、リッチメニューの出し分け | 日本ではLステップ、Liny。アジアではCrescendo Lab MAAC、Omnichat |
| 顧客プロフィール付きのチャット受信箱 | LINE・Facebook・Instagramをチームで返信、タグとメモ | Zwiz.ai、Zaapi、ReadyPlanet R-ChatCenter(タイ) |
| 営業CRM | リード、パイプライン、見積もり | ReadyPlanet R-CRM、またはすでに使っているCRM |
日本の拡張ツールはLINE拡張ツール比較で、タイのツールの機能とバーツ建て料金はタイのLINE公式アカウント自動化ツール比較で詳しく比べています。
契約前に確認したいポイント:
- Webhook: Messaging APIのチャネルに設定できるWebhook URLは1つなので、イベントを受け取るツールが実質的なLINEの中核になります。すでにボットを使っている場合は、どう共存させるかを確認しましょう。
- エクスポート:解約するとき、顧客、タグ、ポイントを持ち出せるか。
- 言語とサポート:日本語(またはタイ語・中国語)で、営業時間内に対応してもらえるか。
- 課金の基準:ユーザー数、友だち数、年額のどれか。LINEのメッセージ料金は常に別です。
- データ保護の条件:データの保存場所と期間、データ処理契約を結べるか。
#顧客データの設計
集められるものすべてではなく、実際に使うデータから設計します。
LINEから得られる情報。 友だち追加されると、WebhookにユーザーID付きのfollowイベントが届き、Messaging APIで表示名、プロフィール画像、ステータスメッセージを取得できます。電話番号、メールアドレス、誕生日はLINEからは提供されないため、お客様から直接いただく必要があります。ユーザーIDはプロバイダーごとに発行されるので、同じ人でも別の会社のプロバイダーでは別のIDになります。
それ以外の情報の集め方:
- リッチメニューに「会員登録」ボタンを置き、登録フォーム(CRMオプション、パートナー製ツール、自社のLIFFページなど)を開く。
- トークで短い質問をし、回答をタグとして保存する(管理画面で手動、またはCRMツールで自動)。
- WebサイトやアプリにLINEログインを入れ、LINEアカウントと既存の会員情報をひも付ける(開発が必要です)。
- あいさつメッセージと登録フォームに、プライバシーポリシーへのリンクを入れる。
散らからないタグ設計:
- 興味:商品カテゴリやサービス(例:「SUV」「セダン」「カラー」)。
- 段階:新しい友だち、顧客、リピーター、休眠。
- 流入元・店舗:店舗名、イベント、キャンペーン。
- スタッフ向けの状態:「見積送付済み」「クレーム対応中」「VIP」。
タグ名は早めに統一しましょう。無料版ではタグ数に上限があるため、スタッフが最も見たい情報に使うのが得策です。
#効果の出るセグメント
複雑なRFM分析から始める必要はありません。小規模なビジネスなら、次の4〜5つで十分です。
- 新しい友だち(追加して間もない人):あいさつと注文・予約の方法。売り込みはまだ控えめに。
- 会員・顧客:特典、ポイントのお知らせ、新商品。
- 休眠顧客:呼び戻しのオファーを1回送り、その後は頻度を下げる。
- 興味別のグループ:たとえばヘアとネイル、セダンとSUV。
- VIP: 先行案内と専任の窓口。
セグメントをどこで持つかはツールによって変わります。管理画面の絞り込み配信、CRMオプションのタグや属性、MyCustomer | CRMの購入額やランク、外部CRMツールのタグや行動データ、あるいは自社システムから書き出したユーザーIDのリストです。
セグメントは通数の節約にもなります。友だち2,000人への配信は2,000通ですが、同じオファーを会員400人だけに送れば400通で済みます。通数の数え方はLINE公式アカウントのメッセージ配信ガイドをご覧ください。
#設定しておきたい自動化
| 自動化 | 内容 | 設定できる場所 |
|---|---|---|
| あいさつメッセージ | 新しい友だちを歓迎し、特典を伝え、登録フォームへ案内 | 管理画面のあいさつメッセージ(通数を消費しない) |
| ステップ配信 | 友だち追加から決まった日数後にフォロー | 管理画面のステップ配信(通数を消費) |
| ポイントとランク | 購入ごとのポイント、ランクアップ、特典 | MyCustomer | CRM(タイ)、各種ポイントツール |
| 誕生日・回答をきっかけにした配信 | 日付、回答、タグの条件で自動送信 | CRMオプション、外部CRMツール |
| 即時の回答 | 価格、営業時間、予約などの質問に返信 | 管理画面のキーワード応答、またはLineBot.proなどのボット |
| リードの追客 | 営業担当に折り返しをリマインド | ReadyPlanet R-CRMなどの営業CRM |
自動化で嫌われないための3つの習慣:
- あいさつは短く実用的に。アカウントでできること、会員特典、ボタン1つ。
- 呼び戻しは1〜2回でやめる。しつこさが生むのはブロックで、注文ではありません。
- 人と話せる道を必ず残す(「スタッフに相談」ボタンなど)。有人対応への引き継ぎはLINEカスタマーサービス自動化ガイドで解説しています。
配信の企画はLINEマーケティング戦略も参考にしてください。
#既存CRMとの連携
すでにCRMをお使いなら、置き換えるよりつなぐほうが現実的です。代表的なパターンは3つです。
- LINEからCRMへ:LINEがWebhookイベント(
follow、unfollow、message、postback)をエンドポイントに送り、CRM側で連絡先を作成・更新します。postbackイベントにはボタンタップの情報が含まれます。 - CRMからLINEへ:注文の発送や会員更新のタイミングで、自社システムがMessaging APIを呼び出し、そのユーザーIDにプッシュメッセージを送ります。グループにはユーザーIDのリストへのmulticast、またはアップロードしたオーディエンスへのnarrowcastを使います。プッシュは通数にカウントされます。
- ID連携:LINEログインやLIFFのページでお客様にログインしてもらい、会員番号や電話番号を入力してもらって、LINEユーザーIDをCRMの顧客レコードに保存します。Messaging APIにもアカウント連携の仕組みがあります。
Salesforce、HubSpotなどのCRMは、まずそのCRMのアプリマーケットプレイスにLINE連携があるか確認しましょう。なければ開発案件になります。基本はLINE Messaging APIチュートリアルで解説しており、LINE開発サービスとして私たちが構築することもできます。Webhookは1つというルールも忘れずに。すでにボットツールがイベントを受け取っている場合は、そのツール経由か中継の仕組みでつなぐ必要があります。
#LineBot.proの役割
LineBot.proはCRMではありません。顧客データベース、タグ、セグメント、購入履歴は持たず、開封・クリックの分析もありません。CRMの隣で、コンテンツと会話の部分を担います。
- AIで画像を作成:リッチメニュー(たとえば登録フォームを開く「会員登録」ボタン付き)、リッチメッセージ、バナーをLINEのサイズで作れます。リッチメニューはご自身で管理画面にアップロードします。
- キーワードボット:承認済みのカードで答え、キーワードに当てはまらないメッセージはAIに振り分けさせることもできます(1件1クレジット)。お客様がスタッフを希望したら、そのお客様へのボットの返信は止まります。
- キャンペーン配信:AIで作ったリッチメッセージを全友だち、または貼り付けたLINEユーザーIDのリスト(CRMから書き出した会員など)に、すぐに、または日時指定で配信できます。IDはチャネルと同じプロバイダーのものである必要があります。配信にクレジットはかからず、LINEの通数が適用されます。
新規登録で50クレジットが無料で付与され、リッチメニュー5個分を作れます。その後は買い切りのクレジットパックで、月額契約はなく、クレジットに有効期限もありません(料金)。LINEとつながるCRM、予約、会員システムが必要な場合は、ご要望に応じて個別に開発します。詳しくはLINE開発サービスをご覧ください。
#個人情報保護と運用のポイント
- 事業者が個人情報を取り扱う責任を負います。 日本の個人情報保護法、タイのPDPA、台湾の個人資料保護法は、LINEで集めた顧客データにも適用されます。何をなぜ集めるかを示し、あいさつメッセージと登録フォームからプライバシーポリシーにリンクしましょう。
- 販促に使う前に同意を得る。 配送や予約のためにいただいた情報を販促に使うには、別途同意が必要です。
- 健康に関する情報は要配慮。 クリニックや健康関連のビジネスは明確な同意を取り、トークでは必要なことだけを聞きましょう。
- アクセスを絞る。 管理画面の権限は役割に応じて付与し、退職者の権限は外し、チャネルアクセストークンは秘密にします。
- 委託先を確認する。 データの保存場所と期間、エクスポートの可否、データ処理に関する契約を結べるか。
- 外部のリストを取り込まない。 別のプロバイダーのユーザーIDは照合できず、その人たちへの送信の同意もありません。
- シンプルに測る。 友だち追加数とブロック数は管理画面の分析で、売上はPOSやCRMで確認し、リンクにUTMを付けてどの配信が来訪につながったかを見ます。
本記事は法的助言ではありません。個別のケースは専門家にご相談ください。
#よくある質問
Q: LINEに純正のCRMはありますか?
国によってあります。日本ではLINEヤフーがLINE公式アカウント向けにCRMオプション(月5,000円・税別)を提供しています。タイではLINEタイのMyCustomer | CRM(月369バーツ+VAT、プロプランは込み)、台湾ではOA Plus 幫手市集の会員・予約ツール(中用量・高用量は基本版無料)があります。また、すべてのLINE公式アカウントにチャットタグとノートがあります。
Q: LINE公式アカウントのCRMオプションはいくらですか?
スタンダードプランが月5,000円(税別)で、チャットProオプション(単体月3,000円)を含みます(2026年10月時点)。任意の初期サポートは1回20,000円(税別)です。認証済アカウントであることなど、申し込み条件があります。
Q: 管理画面だけでCRMとして十分ですか?
小規模なアカウントなら、多くの場合十分です。チャットタグ、ノート、絞り込み配信で基本はカバーできます。ポイント、会員ランク、購入履歴、営業パイプラインが必要になったら、CRMオプションや外部CRMを追加しましょう。
Q: SalesforceやHubSpotとLINEを連携できますか?
できます。まずCRMのアプリマーケットプレイスでLINE連携を探しましょう。なければ、開発者がLINEのWebhookをCRMにつなぎ、LINEログインやLIFFでアカウントを連携し、Messaging APIでメッセージを送り返す形で構築します。
Q: LineBot.proはCRMですか?
いいえ。LineBot.proはAIでリッチメニュー、リッチメッセージ、バナーを作り、承認済みのカードで答えるキーワードボットと、全友だちやユーザーIDリストへの配信を提供します。顧客、タグ、分析データは保存しません。CRMとの連携は個別開発で対応します。
Q: LINEで集めた顧客データに法律は適用されますか?
はい。LINEで集めた氏名、電話番号、トーク内容、購入データは、日本の個人情報保護法やタイのPDPAの対象です。プライバシーポリシーを公開し、販促利用の同意を取り、アクセスを管理しましょう。
次のステップ:
- LINE公式アカウントの料金ガイドでプランを比べる
- LINE拡張ツール比較でLステップやLinyの違いを見る
- メッセージ配信ガイドで通数に収まる配信計画を立てる
- AIで会員登録ボタン付きのリッチメニューを作る
- LINEと自社CRMをつなぎたい場合はLINE開発サービスへご相談ください
LineBot.proについて
LineBot.proは、LINE公式アカウント向けのAIツールです。リッチメニュー、リッチメッセージ、バナーの作成、一斉配信、キーワードによる自動応答に対応しています。本記事はLINE Messaging APIの実務経験をもとに、当チームが執筆しています。
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