LINEカスタマーサポート自動化|問い合わせ対応を効率化する手順
LINE公式アカウントの問い合わせ対応を、人の温かさを残したまま自動化する方法。自動化すべき質問の選び方、スタッフへの引き継ぎ、追うべき指標を解説します。

#LINEカスタマーサポート自動化でできること
LINEのカスタマーサポート自動化とは、営業時間・料金・配送・予約リンクのように答えが決まっている質問にはLINE公式アカウントが即座に答え、それ以外はすばやくスタッフに引き継ぐ仕組みづくりです。大事なのはツール選びより設計で、よくある質問の棚卸し、自動化する範囲の決定、応答時間の目標、有人対応への引き継ぎを順に決めていきます。
期待できること
- 答えが1つに決まる質問に、24時間すぐ回答できる(設定すればお客さまの言語でも)。
- 同じ回答のコピー&ペーストが減り、スタッフは注文対応やトラブル、商談に時間を使える。
- 料金や規約を承認済みの1つの情報源から返すので、担当者による回答のブレがなくなる。
自動化ではできないこと
- クレームの解決、返金の承認、例外対応の判断。
- 情報の自動更新。料金や営業時間が変わったら直す「回答の担当者」が必要です。
- 引き継いだ後に対応するスタッフの代わり。
使える仕組みは3つです。LINE Official Account Managerの応答メッセージ(無料)、有料オプションのAIチャットボット(β)、Messaging APIで接続するボット(ノーコードのLINEチャットボットなど)。管理画面の設定手順はLINE自動応答の設定方法にまとめました。この記事では「何を自動化し、どう運用するか」を扱います。
#手順1:よくある質問を棚卸しする
応答メッセージを書く前に、お客さまが実際に何を聞いているかを確認します。
- 直近4週間のトークを読む。 チャット履歴は無料の範囲で6か月、チャットProオプションでは5年間保存され、ダウンロードもできます。
- 質問をシートに記録する。 カテゴリー、お客さまが実際に使った言葉(これがキーワードになります)、件数、回答できる担当者。
- 読みながらタグを付ける。 無料の範囲ではタグは5個まで作成でき、1チャットに1個付けられます。「料金」「予約」「配送」「トラブル」「その他」程度なら十分です。
- 質問ごとに3つの観点でチェックする。 誰に対しても答えは同じか。お客さま個別のデータ(注文・予約)が必要か。判断・お金・気配りが必要か。
棚卸しシートの例(説明用):
| カテゴリー | お客さまの言葉 | 答えは全員同じ? | 個別データが必要? | 判断が必要? |
|---|---|---|---|---|
| 営業時間 | 「今日やってますか?」「何時まで?」 | はい | いいえ | いいえ |
| 送料 | 「送料無料ですか?」「北海道までいくら?」 | ほぼ | 場合による | いいえ |
| 配送状況 | 「荷物はいつ届きますか?」 | いいえ | はい | いいえ |
| 破損 | 「カップが割れて届きました」 | いいえ | はい | はい |
上の行ほど自動化の候補で、下の行は有人対応へ引き継ぐルールになります。
#手順2:自動化する質問・人が対応する質問
| 質問の種類 | 自動化 | 方法 |
|---|---|---|
| 誰にでも同じ答え(営業時間、料金、所在地、規約) | すべて | キーワード応答またはボットの意図。上位の質問はリッチメニューのボタンに |
| 答えは同じだが聞き方がさまざま | すべて(AIで判定) | AIチャットボット(β)、または承認済みの回答をAIが選ぶボット |
| 個別データが必要(配送状況、予約変更) | 最初の返信だけ | 確認用リンクや「注文番号をお送りください」と返し、その後スタッフへ |
| 判断・お金・気配りが必要(クレーム、返金、例外) | しない | すばやく、わかりやすく有人対応へ |
| 機微な情報(健康状態、身分証番号、カード情報) | しない | スタッフが対応し、できればチャット以外の安全な手段へ |
自動化を健全に保つ3つのルール:
- 自動化するのは「案内」で、「約束」ではない。 返品ポリシーの案内はボットでも、返金の承認は人が行います。
- すべての自動回答に担当者を決める。 料金・時間・規約が変わったら更新します。
- 必ず出口を用意する。 リッチメニューに「スタッフに相談」ボタンを置き、一律応答でも案内します。
回答の文面はLINE応答メッセージの例文集から始めるとスムーズです。
#手順3:質問ごとにツールを選ぶ
- 応答メッセージ(キーワード応答) — 無料。ただしメッセージ全体がキーワードと完全一致したときだけ反応します。リッチメニューのボタンからタップしてもらう質問に最適です。
- AIチャットボット(β) — 登録したQ&A(最大100件)から最も近い回答を選ぶので、言い換えにも一定程度対応します。チャットProオプション(月額3,000円・税別)が必要で、応答時間外だけAIに任せることも可能です。医療・金融・宗教・政治/行政・法律関連のアカウントでは利用できない場合があります。
- Messaging APIのボット — 文中のキーワード検知、AIでの振り分け、ブランドのカード型メッセージ、データ照会など、自由なロジックを組めます。自社開発でもノーコードツールでも構いません。
AIの使いどころ。 カスタマーサポートでは、AIに新しい文章を書かせるのではなく、承認済みの回答から「選ばせる」のが安全です。自由に文章を作るAIは、存在しない料金や在庫、規約を答えてしまうことがあり、お客さまはその内容を前提に行動します。LINEのAIチャットボット(β)もLineBot.proのAI振り分けも、あなたが書いた回答から選ぶ方式です。より広いAIアシスタントを検討するなら、LINE公式アカウントのAIチャットボット導入ガイドも参考にしてください。
#手順4:応答時間の目標と測り方
LINEに「何分以内に返信すべき」という公式基準はありません。体制に合わせて実現できる目標を決め、お客さまに伝えます。例:
- 自動回答:24時間、即時
- 応答時間内の最初の有人返信:15分以内
- 時間外に届いたメッセージ:翌営業日11:00までに返信
これはあくまで例で、業界の標準値ではありません。目標はあいさつメッセージと一律応答に書いておきましょう。トークルームのアカウント名の下に表示される応答状況(「担当者が返信します」「自動で返信しています」「現在は応答時間外です」など)も、お客さまへの目安になります。
測り方:
- [分析]>[チャット] で、アクティブルーム数、受信メッセージ数、手動で送ったメッセージ数、曜日・時間帯別の受信状況、応答メッセージごとの回答数を確認できます(分析マニュアル)。
- 担当者の返信までにかかった時間は表示されません。 毎週20件ほどトークを抜き出し、お客さまの送信時刻とスタッフの最初の返信時刻を記録して、中央値と最も遅かったケースを追いましょう。
- Webhookボットを使う場合 は、各イベントのタイムスタンプと返信時刻を記録すれば正確に測れます。
- 自動化のカバー率:応答メッセージの回答数と受信メッセージ数を比べると、スタッフなしで回答できた割合の目安になり、キーワード追加の効果も判断できます。
- LineBot.pro では、送信数・失敗数・AIクレジットの日次カウンターと、有人対応を希望した顧客の一覧を確認できます。
#手順5:有人対応への引き継ぎを設計する
スタッフに引き継ぐべきタイミング:
- お客さまが希望したとき(「担当者」「オペレーター」「人と話したい」)。
- どれにも一致しなかったとき(一律応答が返った、ボットが意図を判定できなかった)。
- 「人が対応する」リストの話題(クレーム、返金、健康)のとき。
- 同じ質問が繰り返されたとき(自動回答で解決していないサイン)。
お客さまに見せるのは「スタッフが返信すること」と「いつ返信するか」を伝える1通です。例:「担当者より15分以内にご返信します(10:00〜19:00)」。そして必ずその約束を守りましょう。文面は有人対応への引き継ぎメッセージ例が参考になります。
LINE Official Account Managerの機能:
- 一時的な手動チャット — 応答メッセージで対応中のトークも一時的に手動チャットに切り替えられます(1時間で自動終了、延長は最長7日間)。
- ステータス・担当者・ノート — トークを「要対応」「対応済み」に振り分け、担当者を設定し、ノートに経緯を残します。担当者が未設定の場合は、最初にチャットを送ったメンバーが担当者になります。
- 定型文 — 人の判断は必要でも繰り返し使う文面を登録(最大200個)。
- 通知 — 管理アプリで新着メッセージの通知をオンに。
LineBot.proでは、引き継ぎの言葉を受け取るとそのお客さまへの自動返信だけが止まり、スタッフはLINE公式アカウントのチャットで対応を続け、終わったらLineBot.proで再開します。LineBot.proは停止時に確認メッセージを送らないため、リッチメニューの「スタッフに相談」ボタンが引き継ぎの言葉をそのまま送るように設定し、その言葉にLINEのキーワード応答を設定して「担当者がいつ返信するか」を伝えるのがおすすめです。
#手順6:営業時間外・休業日の対応
- 応答時間を設定する。 [チャット設定]>[応答時間] で曜日ごとに設定すると、応答方法が自動で切り替わります。祝日はアカウントの国・地域の祝日に合わせることもできます。
- 時間外 は応答メッセージ(またはAIチャットボット(β))で回答し、一律応答で「いつスタッフが戻るか」を伝えます。
- 年末年始などの休業日 は、期間を指定した一律応答を作ります。期間指定の一律応答は、スケジュールなしの一律応答より優先されます。
- 折り返し連絡を約束する代わりに、お客さま自身で解決できる手段を。 予約ページ、配送状況の確認ページ、料金表など。
- LineBot.proを使う場合、意図への自動返信は24時間動きます。夜間に有人対応を希望したお客さまは翌朝までLINE公式アカウントのチャットで待つことになるので、時間外メッセージでその旨を伝えましょう。
#手順7:多言語対応(日本語・英語・タイ語・中国語)
- 対応する言語と時間を決める。 例:日本語は終日、英語は営業時間内のみ。あいさつメッセージで伝えます。
- 言語ごとにキーワードを用意する。 応答メッセージ1つに登録できるキーワードは51個までですが、返信内容は1種類です。言語ごとに応答メッセージを分けるか、2言語併記の返信にします。
- 機械翻訳に頼らず、ネイティブの文章で。 日本語は「です・ます」、タイ語は丁寧語尾(ค่ะ/ครับ)をそろえ、台湾向けは台湾の繁体字表現を使います。
- 言語切り替え用のキーワードを用意する。 「EN」「中文」などで、その言語の案内メニューを返します。
- 開発者向け: LINEのプロフィール取得APIでは、ユーザーがLINEで設定している言語を取得できます(LINEヤフーのプライバシーポリシーに同意しているユーザーのみ)。ボットはこれを返信言語の判断に使えます。
- 引き継ぎの言葉も各言語で。 LineBot.proには日本語・英語・タイ語・中国語の初期設定があります。
- 言語で担当を振り分ける。 トークに言語のタグを付け、その言語を話せるスタッフが対応します。
#手順8:スタッフの運用と権限
- スタッフごとにアカウントを分ける。 [設定]>[権限管理]>[メンバーの追加] で権限の種類を選び、[URLを発行] して本人に送ります。メンバーは1アカウントにつき100人まで、認証用URLは発行から24時間で失効し、1人にしか使えません(権限設定マニュアル)。退職したスタッフはその日のうちに削除しましょう。
- 必要最小限の権限にする。 管理者以外は日々の対応に必要な権限だけを付与します。
- 1日の流れ: 朝は未読と「要対応」を確認、日中は1トークに1人の担当者、終業時に「対応済み」へ移してノートを残す。
- 毎週: 一律応答が返ったトークや有人対応になったトークを読み、キーワードや意図を追加し、変更があった回答を更新します。
- 上限を知っておく。 無料の範囲ではタグ5個(1チャット1個)、ノートは1チャット1件。チャットProオプションではタグ300個(1チャット30個)、ノート1,000件、履歴5年間、カスタムフィルターが使えます。
#手順9:個人情報の取り扱い
トークの内容は個人情報です。日本のお客さま対応では、個人情報保護法に沿った運用が前提になります。
- 利用目的を示す。 プライバシーポリシーへのリンクを、あいさつメッセージやプロフィールに置きましょう。
- 必要な情報だけを聞く。 チャットで身分証番号やカード番号、病歴を聞かないこと。病歴などの要配慮個人情報は、取得に本人の同意が原則必要です。
- 閲覧できる人を絞る。 スタッフごとのアカウント、最小限の権限、退職者の即時削除。
- データの行き先を把握する。 LINEのチャット履歴は無料の範囲で6か月、チャットProオプションで5年間保存されます。Webhookで接続したツールはメッセージ内容を受け取るので、何を保存するかを確認し、委託先として管理しましょう。
- 漏えい時の対応。 2022年4月の改正法施行により、要配慮個人情報が含まれる場合や1,000人を超える場合など、個人の権利利益を害するおそれが大きい漏えい等が起きたときは、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務になりました(個人情報保護委員会)。
- タイ・台湾のお客さまも対応するなら、タイの個人情報保護法(PDPA、2022年6月全面施行)や台湾の個人資料保護法も確認してください。
ツールについて:LINEは、機微な情報を扱う可能性がある業種ではAIチャットボット(β)を提供しない場合があります。LineBot.proの自動化ログに残るのは振り分け結果(返信済み・一致なし・失敗)と使用クレジットで、お客さまのメッセージ本文は保存しません。AI振り分けをオンにした場合、キーワードに一致しなかったメッセージの本文は、意図を判定するためにGoogleのGeminiモデルに送信されます。
本セクションは実務上の目安であり、法的助言ではありません。
#30日間の導入プラン
| 週 | やること |
|---|---|
| 1週目:棚卸しと回答作成 | 直近4週間のトークを読み、上位の質問を選び、回答と更新担当者を決める。引き継ぎの言葉と応答時間の目標も決める。 |
| 2週目:設定とテスト | あいさつメッセージ、キーワード応答またはボットの意図、一律応答と時間外メッセージ、応答時間、キーワードを送るリッチメニュー。スタッフのスマホで全キーワード・表記ゆれ・引き継ぎの言葉をテスト。 |
| 3週目:試験運用 | 公開し、一律応答が返ったトークと有人対応になったトークを毎日確認。キーワードを追加し、回答を修正。 |
| 4週目:拡張と振り返り | 言い換えに強いAI判定(AIチャットボット(β)またはAI振り分け)を追加し、応答時間を公表。1か月の結果を目標と比べ、毎月の見直し日を決める。 |
#LineBot.proの活用
LineBot.proは、手順2の「すべて自動化」と「AIで判定」の部分を、コードなしで実現します。
- 意図とキーワード: LINEアカウントごとに最大8つの意図、それぞれ最大15個のキーワード。キーワードは文中のどこにあっても一致し、キーワードでの返信は0クレジットです。
- 承認済みの回答だけを返信: 各意図は、あなたが作成したリッチメッセージ(画像・見出し・本文・ボタン)で返信します。日本語・英語・タイ語・繁体字中国語に対応し、作成は1件8クレジット、何度でも使い回せます。
- AI振り分け(任意): キーワードに一致しないとき、確信度85%以上の場合だけAIが意図を選びます。AI判定1回につき1クレジットで、1日の上限も設定可能。AIが回答文を作ることはありません。
- 有人対応への引き継ぎ: 「担当者」「オペレーター」などの言葉で、そのお客さまへの自動返信だけを停止。スタッフはLINE公式アカウントのチャットで対応します。専用の受信箱はないので、管理アプリの通知はオンにしておきましょう。
- 無料のシミュレーターと日次カウンター(送信数・失敗数・AIクレジット)。1対1のテキストトークに24時間対応し、グループトークは対象外です。
最初に50クレジットを無料で受け取れ、その後は都度購入のクレジットパック(月額料金なし・有効期限なし)です(料金)。サポート用の意図を作る → / LINE公式アカウント自動化ツールの概要
まず専門家に見てほしい場合は、LINE公式アカウント診断(฿2,500・1回払い)で、アカウントの健全性チェック、競合比較、コンテンツとリッチメニューの改善点、自動化ロードマップ、30分の相談をお届けします(レポートは3〜5営業日)。
#よくある質問
Q: 問い合わせはすべて自動化すべきですか?
いいえ。答えが1つに決まる質問だけを自動化し、個別データ・判断・お金・気配りが必要なものは人が対応します。よくある質問には即答し、スタッフへの引き継ぎはわかりやすく速く、が理想です。
Q: LINEの問い合わせには何分以内に返信すべきですか?
公式の基準はありません。自動回答は即時、応答時間内の最初の有人返信は15分以内など、体制で実現できる目標を決めてあいさつメッセージや一律応答で伝え、毎週トークを抜き出して確認しましょう。
Q: スタッフを追加するにはどうすればいいですか?
[設定]>[権限管理]>[メンバーの追加] で権限の種類を選び、[URLを発行] して本人に送ります。URLの有効期限は24時間で、1人にしか使えません。メンバーは1アカウント100人まで登録できます。
Q: ボットから有人対応に切り替えるには?
LINE Official Account Managerでは、スタッフが該当トークを一時的に手動チャットに切り替えます。LineBot.proのようなWebhookボットでは、引き継ぎの言葉でそのお客さまへの自動返信が止まり、スタッフがLINE公式アカウントのチャットで対応します。
Q: 多言語の問い合わせに対応できますか?
できます。言語ごとにキーワードと返信を用意する(または2言語併記にする)、言語切り替え用のキーワードを用意する、その言語を話せるスタッフに振り分ける、の3点が基本です。各言語とも機械翻訳ではなく自然な文章で書きましょう。
Q: チャットで個人情報を扱うときの注意点は?
利用目的を示し、必要な情報だけを聞き、閲覧できるスタッフを絞ることです。身分証番号や病歴などはチャットで聞かないようにしましょう。重大な漏えい等が起きた場合は、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要です。
次のステップ:
- LINE自動応答の設定方法
- 引き継ぎ・時間外・キーワード応答の例文集
- LINE公式アカウントのAIチャットボット導入ガイド
- LineBot.proの自動応答を試す(50クレジット無料・カード不要)
LineBot.proについて
LineBot.proは、LINE公式アカウント向けのAIツールです。リッチメニュー、リッチメッセージ、バナーの作成、一斉配信、キーワードによる自動応答に対応しています。本記事はLINE Messaging APIの実務経験をもとに、当チームが執筆しています。
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